診療案内

乳児健診では成長する「赤ちゃんの発達と発育」を注意
深く観察します。
14時から14時30分を健診・予防注射の時間にしています
予定の合わない方は予約なしで、受診し易い時に受診されても大丈夫です。
赤ちゃんの体重増加は、全身状態を表す良い指標です。
一歳までの赤ちゃんは太りすぎを心配する必要はありません。
体重の増え方が良いということは、元気な証拠と思って安心してください。
もしも体重の増えが悪くても、心配しすぎないでください
何か原因があるのか、それとも体質なのかを、一緒に観察していきましょう。
体重ばかりを気にしすぎてはいけません。
大切なことは「発達」です。
「発達」が良ければ心配ありません。

1) 赤ちゃんの哺乳量と体重増加
2) 1カ月健診で見落としてはいけないこと
3) 新生児の黄疸
4) 乳児健診のチェックポイント
5) 授乳中のお母さんが病気になった時


>1)赤ちゃんの哺乳量と体重増加

1.哺乳量について
 離乳食が始まるまでの赤ちゃんの1日のミルク哺乳量は
 1kg当たり約100ml~200mlです。
 
平均では1kg当たり約150mlです。1回の哺乳量の目安は
 1kg当たり約20mlです。
 (例:4kgの赤ちゃんなら1回80ml、1日で600ml。
   7kgなら1回140ml、1日で1,050ml)




2.体重増加について
  産科を退院してからの最初の1カ月は,1日当たり約40g
 
体重が増えます。
 2カ月目から3カ月目は1日当たり約30g体重が増えます。
 1日当たりの体重増加は次第に減少し、4カ月目からは
 1日当たり約20g体重が増えます。
  7カ月頃からは1日約10gの増加になります。


3.体重増加が悪いときの対処法
  哺乳のリズムをつけるために、3時間おきに哺乳させる
 ことを勧めます。
  一方、体重増加が良い場合は赤ちゃんが欲しがる時に
 飲ませるので良いです。

2 ) 1カ月健診で見落としてはいけないこと

産婦人科を退院してから1カ月健診までの間に、いろいろと気になる事があると思います。
お母さん方から多く聞かれる心配点や、小児科医として特に、
1カ月健診の時に、注意して観察する大切なポイント」を
ならべてみました


1.体重増加に関して
  赤ちゃんは生まれてから1ヶ月で約1,000g体重が増えます。
 産科を退院後
1日平均で約30g増えていれば心配いりません。
 体重増加が
1日平均15g以下の場合は体重増加不良です。
 原因が何かを一緒に見つけましょう。


●体重増加の悪い時
 
体重増加が1日15g以下の場合は、何か原因があるかを
 考えます。
 「母乳の出がまだ少ない場合」や「ちょこちょこ飲む」
  ため哺乳回数は多くても哺乳量は増えていない場合も
  あります。哺乳のリズムをつけるために、3時間間隔
  で哺乳することを勧めます。

 1回の哺乳量の目安は体重1kg当たり20mlです
    (例:4kgなら一回哺乳量80ml)。




2.黄疸に関して
  ほとんどの新生児で生後2日目頃から認められ、7日目頃
 には薄くなりますが、1カ月時に黄疸が残っていることも よくあることです
 そのほとんどは、主に母乳が関係する「生理的黄疸」で
 心配ありません。
 しかし、稀に胆道の閉鎖を原因とする「
胆道閉鎖症」や
 「
新生児肝炎」による黄疸があります。
 「胆道閉鎖症」は1万人に一人の割合で発症しますが、
  2カ月までに診断をつけ、治療を開始しなければ肝硬変
 
に進行します。
  便の色が黄色でなく、
白~ベージュ色の時には注意が必要
  です。




3.心雑音に関して

 ほとんどの先天性心疾患では出生早期から心雑音が
 あります。
 心雑音のある児でも手術が必要になる児はわずかです。
 哺乳不良、体重増加不良、チアノーゼのある時は注意が
 必要です。重症の先天性心疾患は、出生後早期にチアノ
 ーゼ
や多呼吸、哺乳不良をきっかけに見つかります。
 しかし、稀に1ヶ月健診で重症の先天性心疾患の児が
 見つかることもあるので心雑音のある場合は心エコーを
 行います。




4.呼吸困難

 赤ちゃんは気道が細く、首が顎で圧迫されがちのために
 ゼ
ロゼロという呼吸音が聞かれやすいです。
 特に、冬場はRSウイルスによる細気管支炎を起こしがち
 で
呼吸困難が顕著になることがあります。
 あえぐような呼吸や、哺乳が休み休みになる、ゼロゼロが
 ある時は心配です。早めに受診してください。
 夜眠れていて、哺乳も普通に出来ていれば安心です。




5.嘔吐

  赤ちゃんはよく吐きます。体重増加が良ければ心配ありま
 せ
ん。
  心配な嘔吐としては、生後2~3週頃から噴水の様に嘔吐
 する「肥厚性幽門狭窄症」があります。




6.貧血
  赤ちゃんは生後1ヶ月頃から次第に貧血になり、生後2~ 3ヶ月頃に最も貧血が強くなり生理的貧血とよばれます。
 生まれて1ヶ月間は赤血球があまり作られず、生後3ヶ月
 までは急激に体重が増える事が大きな原因で心配ありませ
  ん。
 貧血がひどいと
蒼白・哺乳力低下・多呼吸・頻脈・無呼吸
 になります。
 非常に稀に骨髄での造血が悪いことがありますので、貧血
 が強い場合は血液検査をします。




  防府市での発症:胆道閉鎖症は10年に1~2名
       手術を必要とする先天性心疾患は年に3名
       手術を必要とする肥厚性幽門狭窄症は年に
       1~2名
       
入院を必要とする細気管支炎は年に5~10名

1カ月健診で気をつけるポイント
(Dr.くらの赤ちゃん通信:体重・黄疸)

1カ月健診で気をつけるポイント
(Dr.くらの赤ちゃん通信:嘔吐・呼吸困難)

1カ月健診で気をつけるポイント
(Dr.くらの赤ちゃん通信:心雑音・貧血)



3)新生児の黄疸
(高ビリルビン血症)
  新生児には程度の差はありますが、どの赤ちゃんにも黄疸
 が
認められます。
 ほとんどの新生児で生後2日目頃から認められ、7日目頃に
 は薄くなります。
 産科入院中に黄疸が強い時は、光線療法で治療されます。
 1カ月時に黄疸が残っていることもよくあることですが、
 そのほとんどは、主に母乳が関係する「生理的黄疸」で
 心配ありません。
 しかし、稀に胆道の閉鎖を原因とする「
胆道閉鎖症」や
 「
新生児肝炎」による黄疸があります。


  黄疸の起こる理由
  普段私たちは肺で呼吸をし新鮮な酸素を赤血球が運んで
  
います。お腹の中の赤ちゃん(胎児)は、酸素をお母さん  からもらうため、それに適した赤血球が胎児の血管の中
  を流れています。
  生まれてくると赤ちゃんは肺で呼吸をするため、胎児期の
  古い赤血球は赤ちゃんの体内で壊され私達と同じ 赤血球
  に変わります。
  赤血球が壊れる時に出来たビリルビンは肝臓で処理され
  胆道を通り腸に流されます。便の色が黄色なのは、ビリル
  ビンが黄色いためです。
  ビリルビンの量が多すぎると、皮膚ににじみ出て、その黄
  色みが黄疸として認識されます。

 母乳にはビリルビンの分解を阻害する成分があるために、
 母乳栄養で母乳をよく飲んでいる
場合には黄疸が 長引く
 ことがありますが、生理的黄疸と呼ばれ心配有りません。
 また、哺乳が少なく体重増加が悪い場合
にも 黄疸が長引く
 ことがあります。


  

  心配な黄疸 新生児肝炎胆道閉鎖症
 「胆道閉鎖症」は1万人に一人の割合で発症しますが、
 2カ月までに診断をつけ、治療を開始しなければ肝硬変に 進行し
ます。便の色が黄色でなく、
白~ベージュ色の時に は注意が必要です。
 黄疸が強いときには血液検査(直接ビリルビン、肝機能) を行います。

  一カ月健診では特に黄疸に注意して診察します。


 

4)乳児健診のチェックポイント
  「発達」と「発育」に注意して健診を行います。
 「発達」と「発育」どちらも大切ですが、時に体重の増え
  の悪い
赤ちゃんもいます。
 体重の増えが悪くとも、心配しすぎないでください。その
 原因を一緒に考えましょう。
 月齢に応じた「発達」と「発育」に関して説明します。




「1カ月健診」
  体重増加と表情、四肢の動きに注意します。
 ベッドに寝かせた時に、四肢をベッドから挙げていれば
 麻痺は無いと言えます。
 哺乳量は1日の1kg当たり150mlが目安です。
 体重増加の目安は、1日当たり30gで、1カ月健診時の
 体重は
生まれた時より1,000g~1,100g増えていれば安心 です。
 忘れてならないことは、出血予防のK2シロップを飲むこと
 です。

 2ヶ月よりHib・肺炎球菌の予防注射を始めます。




「3カ月健診」
 「発達」の指標は「首座り」ですが、3カ月では、かなり首
  が座っている赤ちゃんからまだまだの赤ちゃんまで個人差
  があります。5カ月までに首が座れば正常です。
 
哺乳量は1日に1kg当たり150mlが目安です。
 
体重増加の目安は、1日当たり30gで、一カ月当たり約 1,000g増加し3カ月では生まれた時より 3,000g増えてい
 れば安心です。


  3カ月健診で気をつけるポイント
 
(Dr.くらの赤ちゃん通信:体重増加・首座り・股関節脱臼)


  

「5カ月健診」
  顔にタオルを置くと両手で取れるようになります。
  哺乳量は1日に1kg当たり120mlが目安です。
  体重増加の目安は、1日当たり20gで、一カ月当たり
 
約400g~600g増加します。




「7カ月健診」
  7カ月になると、お座りが出来るようになります。
  顔にタオルを置き片手を押さえておくと、残った手でタオ
  ルを取れるようになります。
  10カ月までに出来れば心配ありません。
  体重は、3カ月健診の時と較べて男児は1.8kg、女児は1.7
  kg増えます。
 1日当たりの体重増加は6カ月以降は10gです。

  
 7カ月健診で気をつけるポイント
 (Dr.くらの赤ちゃん通信:体重・お座り・手の動き・それ
  以降の発達)




「10カ月」
  つかまり立ちが出来るようになります。



「1歳」
  歩けるようになります。
  マンマ、ママなどの単語が出始めます。
  歩行や発語は1歳6カ月までに出来れば心配有りません。
  体重は、生まれた時より6~7kg増えていれば安心です。
  予防注射は、1歳になれば「
はしか・風疹混合ワクチン
 (MRワクチン)
」をしましょう。


5)授乳中のお母さんが病気になった時



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